渋沢史料館行ったレポ!

 渋沢史料館行ってきたレポです✌️

 昨年の新札発行という一大イベントの際、渋沢栄一関連の話題はSNSでかなり頻繁に見受けられました。
 中でも、2020年に改装工事を行っていた渋沢史料館は、是非改装でき立てホヤホヤのうちに見てみたいと思っていたので、ようやく訪れる事ができてハッピー。

 渋沢史料館、もといその一体に広がる飛鳥山公園は、東京駅から京浜東北線一本で行ける上、周囲には紙の博物館旧古河邸など、近代財界好きには中々目白押しな地域!
 自分もそういった施設巡りをした……かったんですが!?

 なんと今回王子駅に降り立った時点で既に時刻は15:06です!

 ちなみに飛鳥山公園周辺の施設は概ね17:00に閉館します。
 (ミュージアムショップのみ16:30閉店の館もあるため要確認)

 終わっちまったな……飛鳥山観光周遊プラン……😭😭😭

 正直に言うと、今回の渋沢史料館見学は、友人たちと共に都内観光する最中に立ち寄ったものである都合上、あまり満足に周辺を回れないことが分かっていたので、後日自分一人でこの地域へ訪れて記事にしようかとも考えていました。

 しかし、その内装のデザインに感動したことに加え、展示には意外な部分も多く勉強になったので、せっかくなら、この感動がフレッシュな内に文字起こし‼️
 そんなこんなで書き起こされたのがこの記事って訳‼️

 最新式個人(?)記念館の展示の工夫にシビレよう⚡️


渋沢史料館

    基本情報
    所在地: 東京都 北区 西ケ原 2丁目 16−1
    最寄り駅:JR京浜東北線 王子駅(南口)より徒歩5分
    観覧料:300円
    (当館のチケットで晩香廬青淵文庫の二館へも入館可能)
    (紙の博物館北区飛鳥山博物館へも入館できる800円の三館共通券もある)

    定休日:毎週月曜日、もしくは祝日の翌日
    HP:https://www.shibusawa.or.jp/index.html

  朝から都内を歩き回っての渋沢史料館であったため、炎天下の日差しから我々一行を守る渋沢史料館のデカすぎる影に感動してしまいました。
 玄関から既に結構デカ目な渋沢栄一の胸像が出迎えていますが、玄関のルーフの下、雨風をしのげる位置にあって良いね(誰目線?)(オタクなら、推しの酸化は、断固NO‼️😠)

 施設の中は一階にショップ&映写室やトイレ・ロッカーなどの設備があり、二階に展示室がある形。
 白基調で清潔感のあるスタイル、他館のポスターやチラシ等がエレベーターホール周辺に集めれられ、玄関-展示室の導線では直接見えない代わりに、トイレに行こうとすれば必ず通る場所にあるという形。
 これ……子どものいる家庭がおもちゃやコロコロなどの色の主張が激しい小物を「隠す」収納術じゃん!
 
 そして二階に上がって即目に入ってくるのがこの展示室!
 他の博物館や記念館では見たことのない内装に驚き、感嘆して写真を撮る。
 人文科学系の博物館は壁沿いに展示が広がり真ん中に平面のガラスケース、というのが基本構造だと思いますが、そういう常識を破ってくるデザインを見れるとは、これが令和最新の小規模博物館デザインって訳ね……🤔
 
 小さな展示ケース+展示ポスターのユニットが年齢ごとに並べられている特徴的な形は、膨大な史料と研究が遺されている渋沢栄一(並びに渋沢家)だからこそできるデザインだなとも思いました。

 渋沢栄一研究といえば、経済史家の土屋喬雄が、渋沢敬三(栄一の孫)の依頼を受けて編纂した『渋沢栄一伝記資料』ですね。
 NDLではログインで閲覧可能になる資料ですが、なんと渋沢栄一記念財団のHPではインターネット上で無料閲覧が可能!(上のリンク先は渋沢栄一記念財団の方)
 しかもこのサイト、本文の画像データではなく、テキストデータに変換したデータベースであるため、本分検索も完備。
 年月どころか日付レベルの行動記録、一人の男の伝記資料でありながら全68巻という常軌を逸した情報量でも、これなら初心者でも気軽にアクセス・利用ができる!
 オタクに至れり尽くせりすぎるだろ……😭😭😭
 割と本気で……近代どころか通史において渋沢栄一史料館ほどオープンアクセス完備・利便性の改善を志向し続けている学術機関は無いと思う。
 
  加えて感動したのがこの「棚を開ける」展示方式!
 棚を開くかどうかによって、資料を見るか見ないか選択できることは、観覧時間を選べることにつながります。
 まさに閉館時間に焦る今の自分のような人間にはとてもありがたい方式ですし、展示スペースのスリム化とできるだけ展示物を増やすという二つの相反する課題を一挙に解決する方式に脱帽。
 自然科学、特に鉱物系の展示では、これと似た標本棚を模した展示も見たことがありますが、人文科学系では初めて体験した展示だったので、感動しました。

 あと、棚の中にたまにペーパーが入っているのも、イースターエッグみたいで面白い取り組みだなと思いました。
 そのおかげでその展示見た後全部の棚開けて確認してた。

 さてようやく展示内容についても触れていきましょうか!?

 まず第一に、渋沢栄一、写真史料が本当に多い。 
 近代の財界人の人物自身が写っている写真史料のうち、基本的に一般人が閲覧できるものは、大体三四枚、多くて十枚以下レベルですが、渋沢栄一に限っては枚数がパッと把握できないレベルに写真がある。
 しかも映像や音声資料もあってそれを閲覧できるという……。
 財界の他担(自分は敬三先生推しではある)としては、史料が多いというより、史料のバリエーションが広いことが羨ましい。

 また、他の記念館の展示内容と異なって際立つところは、本人のみならず家族関連の展示がかなり多い所でしょうか。
 渋沢敬三は当然のこと、奥さんや娘さん、特に篤二関連の言及が多かったのが意外でした。
 渋沢家を語るうえでは、篤二はあまり歓迎されない存在であり、情報量も父栄一、息子敬三と比べるとかなり少ない人物であるため、このような記念館で篤二について詳しい記述を見れるとは思わなかった……。
 しかし、あまり触れられてこなかった人物だからこそ、公式の研究機関が触れてくださっているのは大変ありがたいことだと感じ入る。
 
 あと個人的大目玉、書簡史料も勿論いくつか展示されていました‼️
 幕末の生まれだけあって、書簡ではかなり字を崩して書くタイプ、これを読み下すのはキツイぞ……😭と思ってたらすぐ下に読み下し文ありました。流石に渋沢史料館だ、読み下し文置かないで資料だけ置くしかできないなんてことは無いか。
 渋沢栄一のみならず、渋沢宛岩崎弥之助(!?)や服部金太郎(現セイコー創業者)の書簡もあり、特に前者は時期や書の内容も相まって岩崎兄弟のオタクは色々考えるだろうな……と思った。同じオタクとしてね。

 個人の記念館と言えば、大抵仲の良い友人の紹介なども挟まれるもの。しかし渋沢栄一といえば交流の幅が広すぎてどうなるんだろうなぁと思っていたら、(渋沢家近親者以外では)服部金太郎、次いで浅野総一郎が目立って取り上げられていましたよ。
 自分は渋沢栄一に関して、プライベートのことをよく知らないので、その友人枠服部さんなんだ……とびっくりするばかり。

 第一国立銀行に関する展示も当然あり、その中で三井組との関係性にも触れていました。
 なおその内容は……「🔎渋沢栄一 三井組 不仲」
 というか第一国立銀行設立前後の集合写真での三野村の顔、めちゃ不機嫌そうで草。三井銀行(中上川彦次郎)が怖くて、佐々木勇一郎ら第一銀行組が東京貯蓄銀行を設立した下り(『渋沢栄一伝記資料』第五巻、pp.12-13)もあり、三井三田系のオタクとして嬉しかったです。

 
 休憩スペースの景色までかっこいいのけ……🥲

 いや〜新しい史料館のデザインを考えさせる良い体験だった……。
 観覧時間、気持ち急いでいたこともありますが、基本的には小さめの建物ということもあり、大体1時間半位で終わりました。

 良かった〜これなら、ショップで爆買いする時間もありますね‼️
 
 全部で大体1万になります。

 ここで、オタクtips!
 研究紀要と企画展の図録は、その施設でしか手に入らない可能性の高い、歴オタ的マストバイ商品ですよ😏😏😏
(ただし最近だと研究紀要はオープンアクセスにしているところもあるので確認してからの方がいいかも)(まぁ私はOA済みだったとしても後悔しないから、買うけど❓🎶🎶🎶)
 ちなみに自分が調べた限りでは『渋沢研究』は電子版を無料開放していないので是非購入しましょう。渋沢家、渋沢関連事業に関する論文は勿論、近年ではアジア史的な研究も取り扱っているように見受けられました。

 後は表紙デザインがカッコよくて買った本や、自分の興味関心(南米移住)と問題関心(社会福祉)に被る本を買いました。
 前者の本……なんと武藤山治と平生釟三郎が出る……(激アツいな……🤔)

 そしてSNSで知って前々からほしかった渋沢栄一の立ち絵のポストカードね。
 50円で驚き、小学生でも買えちゃうじゃん😄ありがとう‼️

 でも……これ、この人帰りにこの本詰まった紙袋抱えて公共の交通機関利用してたのマジすか?
 長距離バス乗ってる時、棚に上げたら忘れて帰るだろうし、かといって満員で横の席にも置けないしと、とにかく頑張って腕に抱えて帰った😢

 というわけで、2時間だけ飛鳥山へ寄って渋沢史料館を初めて訪れた旅のレポでした!
 閲覧、ありがとうございました〜〜〜!

Bonus #02
「大風呂敷と金庫番」

佐々木勇之助「先生、おはようございます。お忙しそうですね」
渋沢栄一「やぁおはよう!今日は銀行集会だったかな、すぐに発ってしまうんだが、少しでも話が聞きたくて……」
佐々木「最近の銀行界は、急増した中小私立銀行達の経営不振に悩まされています。今回の集会も、彼らのための協定作りが主題です……尤も彼ら自身その協定を守り切るとは思えませんが」
渋沢「最近は金融業界も活発で市場の競争も激しいからな……だが、銀行の増加は、それだけ多くの資本を生み、そして資本を必要とする産業が発展してきている証だ」
佐々木「経営が苦しいからといって市場を荒らす会社は、生まれて一年の小銀行でも、許すべきではありません」
渋沢「……昔の我々は銀行を増やすため躍起だった。それが増えたら増えたで見放すというのでは、傲慢がすぎる……彼らを導くのも、我々先駆者の役目だ」
佐々木「……承知しました。これ以上は時間も惜しいでしょう、集会も銀行も、私の方で切り盛りしますから、ご心配なく」
渋沢「あぁ……いつもありがとう!君には難題を担わせてばかりで……どうか、頑張ってほしい」
佐々木「ありがたいお言葉ですが、お急ぎならば別れの挨拶のみで結構です」

佐々木「先生の大風呂敷をたたむのが、私の役目ですから」