三井銀行

三井銀行の経営者リスト

三野村利左エ門

 

三野村利助

 

西邑虎四郎

 

中上川彦次郎

「時事新報」社長、山陽鉄道社長、三井銀行副長、三井物産理事、三井鉱山理事

  • 福沢諭吉の甥。幼少期から福沢に期待されることの多かった人物で、慶應義塾を卒業し英国へ留学する。その後、官僚として工部省や外務省で働く。
  • 明治14年の政変で大隈派と共に下野。井上馨の斡旋で山陽鉄道の改革をした後、三井財閥に入り三井銀行の改革に着手し工業化を進めるも、井上らとの対立によって失脚し、47歳で死去。
  • 寡黙な合理主義者かつ激情的で大食漢の美食家。工業化に強い関心を持ち、慶應出身者を多数三井に登用、三井銀行中興の祖となる。

おすすめ資料等
波多野承五郎『梟の目 第二古渓随筆』(実業之日本社、1990年)p.38~64
 国デジで閲覧可。慶應出身で中上川の友人である波多野承五郎の回顧本。やっぱ……友人視点の人物像ほどオタクにとって喜ばしいもんはないのよな……🥺真面目な政策の話からプライベートの面白話まで聞かせてくれる素晴らしい資料。注意点としては基本的に三井時代の中上川の描写しかないと言うことか。中上川の次に三菱の中上川(慶應出身で近代化を進めた改革者という意味)とも言うべき荘田平五郎が来るのもなんとも豪華。

小島直記『福沢山脈』(河出書房、1967年)
 (注意!このサイトの管理者は小島直記のオタクです!)小島直記最高!数多くの近代財界を取り扱った小説を書いた著者による歴史小説。主人公は朝吹英二だが、群像劇であるため中上川も重要人物として登場。朝吹に対し「フン、おもしれー男……」と言ってくれる最強スパダリ中上川を皆で観測しよう。読んだらぜひ感想ください。ちなみに中上川以外にも三菱や松永安左エ門や武藤山治が出てくるので、三田系オタクは必読だ。2011年に新書が出たので、amazonに行けば500円くらいで買えると思います。(ちなみに小島先生は結構人物像を膨らませがちな先生なので、すでに人物をよく知るオタクの方にはなんか……史実と違くない!?みたいなことがあるかも知れません)

早川千吉郎

池田成彬

三井銀行筆頭常務・三井合名筆頭常務理事・日本銀行総裁

  • 山形県の藩士の長男。慶應義塾からアメリカに留学、帰国後新聞記者として働いた後、三井銀行へ入行。欧米出張後に中上川の婿となり、益田・團体制後の三井を率いる代表者になる。
  • 業務においては冷徹な寡黙家ということで知られた。自身の意見を押し通すことには、右に出る者はいないほどの腕力で会議を押し進めるため、「我が侭」だという批判もなされた。
  • 趣味や私生活においては……結構人間味の溢れる自由人である。健康のために農作業を始めてメロンを育てたり、骨董に夢中で深夜二時まで眺めたり。交友関係も広い。

おすすめ資料等
永松浅造『池田成彬伝』(今日の問題社、1936年)
 池田成彬の伝記は多いが、こちらは国デジで読むことができる100pほどの簡易的な内容の伝記。当時の人間の視点で描かれた、物語調の強い本であるため、その話が史実通りであるかは要注意だ!でも池田成彬の概要を知るにはちょうど良いくらいのものではないでしょうか。自分は好きです!あ、お金がある人にオススメの伝記は今村武雄先生の『池田成彬伝』です。面白エピソードも結構ある。運動会に出席するも乗り気になれない池田、リアル人間味すぎる。

池田成彬著、柳沢健編『財界回顧(経済人叢書)』(図書出版社、1990年)
 池田成彬とその側近や関係者による回顧談をまとめた自伝的な本。幼少期から戦後まで、さまざまな時期を取り上げて語る。口語体なので大変読みやすい……が、後半にいくにつれて内容が難解になってくるので、さまざまな事を知ってから何度も読み直すことになるスルメ本でもある。財界、特に金融界、電力界隈のオタクなら基本的に買って損はない、資料になる本。池田成彬がたまにふざけてくれるのもポイントです。初版は1949年ですが、1990年に新しく発売されているので多分amazonでも買えます。

池田成彬『私の人生観』(文芸春秋新社、1951年)
 うお~~~~~!私人としての池田成彬最高~~~~~!となれる、池田のプライベートに関する話がいっぱい聞ける本。『財界回顧』の続編のような本で、口語体で綴られる。池田自身の話だけでなく、松永や武藤など交友のあった人物の話まで聞ける!働いている時とイメージが違うあまりに「え!?池田成彬ってこんなに面白男なの!?」とギャップにハマる事間違い無し!是非読もう!ついでに『故人今人』『私のたけのこ哲学』まで揃えて池田成彬回顧本シリーズを完備しよう!

米山梅吉

三井銀行常務・三井信託銀行社長・三井合名常務理事・三井報恩会理事長

  • 静岡県の地主の婿養子。米国に留学し、政治家か新聞記者を志していたが、紆余曲折あって30歳の時に三井銀行に入行。後に三井信託を設立、三井合名理事に就任し、最終的に池田が「財閥の転向」に際して設立した三井報恩会を託され理事長に就任。
  • 池田成彬のライバルかつ盟友として事務や為替を担当。銀行業の傍ら、教育活動や郷里、苦学生への支援を行い、引退後は教育業に専念。
  • その紳士ぶり、温和で世話焼きな性格と会話の巧さから若い行員の憧れの的と謳われる。一方で世辞を振り撒きすぎるという批判もなされた。

おすすめ資料等
実業之日本社編輯局編『財界巨頭伝 : 立志奮闘』(実業之日本社、1930年)p.219-235
 国デジで閲覧可。冒頭の書き出しが長い分、繰り出される魅力は強烈なので是非ご一読。米山梅吉の略歴から魅力まで大体全部言ってくれる。ただ略歴に関しては一部怪しい記述があるので、鵜呑みにしてはいけません!

谷内宏文『点描 米山梅吉―日本のロータリークラブと信託業の創立者』(新風舎文庫、2005年)
 米山オタク……全員買いなさい……っ😠‼️元三井信託銀行行員の著者が描く米山梅吉の評伝。学術的な本ではないので読みやすく、文体もあまり固くないことに加え、時折挟まれる信託銀行内における米山梅吉観などここでしか読めない内容もあり、非常に楽しい。そしてやはり米山派の宿命なのか、池田米山コンビを節々で強く推してくれる。米山梅吉記念館でも販売されているので、内容にもお墨付きといったところか。新書なので非常にお手軽な値段で入手できる!

佐々木邦編『米山梅吉傳』(青山学院初等部、1960年)
 米山梅吉傳の何がすごいかというと、新品の状態で古本屋ではなく記念館から買うことができることです。しかも4000円。加えて内容も最高なんです!経歴だけでなく、故人の周辺人物から寄稿された回想集がついており、家族等近親者から同僚後輩行員、教育事業での関係者まで色んな視点の米山さんが見れる!おまけに詩集まである!?もう最高!オタク大喜び!

矢田績

万代順四郎

三井銀行会長、帝国銀行会長

  • 岡山県の農村で次男として生まれる。上京して青山学院の中等科高等科に学び、三井銀行に入行。出世格の筆頭として池田時代の次の三井銀行の代表者となる。終戦後は戦犯指定を受けて財界から追放されるも、神奈川県の山村に籠り自給自足の農家生活を営んだ。
  • 米山にいたく可愛がられ、青年期には米山家に住み込み育児を手伝ったこともあった。銀行内でも米山の秘蔵っ子として知られ、三井信託への参加を志望していたが、池田の強い勧誘により三井銀行内に残った。米山の社会奉仕的態度を継ぎ教育界や芸術界への支援を行う。
  • 寡黙で鷹揚としたヌーボー族だが、時に鋭さを見せる政治家肌として知られる。子ども好きで、遊ぶ時にはいつも子どもに勝ちを譲り、よく相手を務めた。

おすすめ資料等
倉田春一『経済第一線』(大鵬書房、1936年)p.192-194
 国デジで閲覧可。内容は短いですが、万代順四郎の背景や性格を知るには手頃でよくまとまっており、丁度いい評伝。当時の人間の視点で描かれているので、万代の出世に対する考察も見どころ。

佐々木邦編『在りし日 : 人としての万代順四郎』(1964年)
 『米山梅吉傳』と同じ編者によるもの。経歴だけでなく近親者友人知人の回想集までついている最高本。しかも万代は引退後に山村に籠るわけですが、その山村の人々の回想はまさにプライベートそのままの姿が見えてくるので大変に良い!滅多に見れない視点ですよこれは!とにかく、万代順四郎、最高の漢──としか言えなくなる。

堀峰生『「財閥の転向」と万代順四郎』(2013年)
 こちら、博士論文となっております。しかも一橋の博士課程後期の博士論文(商学科)ということで、まさにトップレベルのアカデミズムから繰り出される推しの論文がネット上にあるなんて、夢かな?内容も万代の幼少期からの経歴や関係人物の背景まで詳細に説明されており、普通にオタク大喜びで読める内容です。しかもこちらの著者であらせられる堀先生はこのほかにも米山梅吉に関する論文なども複数書いており、明らかに三井銀行推しの先生としか思えません!

金子堅次郎

三井銀行営業部長・三井合名常務理事

  • 福岡県に生まれる。山口高等商業学校卒業後に三井銀行に入行。池田成彬の懐刀として知られ、三井合名では物産出身の南条金雄を補佐。
  • 円満高潔な切れ者として知られる。ゴルフ好きでよく焼けた肌をしていた。
  • 米山とはあまり交流がなかったが、万代とは親友と称する仲である(『在りし日』)。万代のことを出世頭として目していたが、よく気が合ったようだ。

おすすめ資料等
宇野七石『新興日本の経済闘士』(国防経済研究会、1936年)
 国デジで閲覧可。なかなかすごい名前の出版者だが、数少ない金子堅次郎の評伝の中ではかなり内容の濃いもの。人物評だけでなく略歴も知れて非常に貴重!是非ご一読。